チャンス

 随分久々になってしまった更新…。仕事が忙しかったといえば忙しかったけど、正直ニュースやネットに繋ぐよりもやらなければいけないことが多すぎた、というところ。
 最近ニュースを見てもうれしくなるようなものがほとんど無く、暗くなるばかり。いつからこんなになったんだろうなぁ…って考えるけど、結局暗に他人の不幸を希求する卑しい人間の性か、なんて。
 地元を離れてなお地元を愛して止まない訳だけど、先日のばんえい競馬の今期限りでの廃止の知らせは辛かった。廃止の話は出ていたものの、映画「雪に願うこと」の東京国際映画祭でのグランプリ受賞をはじめ、ばんえい競馬が世に知られる切っ掛けが増え、注目され始めていただけに、あまりにも衝撃は大きかった。

 来年度以降のばんえい競馬の存廃問題で、帯広市の砂川敏文市長は27日午後3時半から、市役所で記者会見を開き、帯広市として競馬存続は困難という考えを明らかにした。

 その上で「存続という道を見いだすことができずに残念。債務清算、関係者への補償について、組合、4市で速やかに協議したい」と述べ、帯広市として競馬から撤退する意向を示した。

 何というか過疎化の続く地方の、今なお冷え切った経済状況やらなんやら、時代の流れなのか、なにも出来ない自分に歯がゆさを感じ、気を落としていたのは自分だけではないだろう。
 北海道の開拓、拓殖は歴史こそ浅いが、自分たちの「血」の歴史だ。それこそ先住民である北海道アイヌと、開拓史の軍団として入植した和人が、それこそ一言では語れない辛い歴史の中で、ある時は支配や搾取を繰り返し、またある時は交わってきた歴史の証だ。そういった血の延長線上に自分が居ることを考えたとき、北海道の若いながらも深い歴史を象徴するようなものに、親しいものを感じずには居られなかった。
 世界でも唯一の「輓(ソリを)曳(ひく)・ばんえい競馬」北海道では旭川市岩見沢市、北見市帯広市が共同で運営を行ってきたが、経営不振から廃止がささやかれ始めたのは最近のことではない。他の公営や第三セクターと同じく、経営が危ぶまれてもよっぽどのことがない限り潰れない。そんな甘えが消費者側にも、経営者側にもあったんだろうと思う。しかし北海道の三セク、公営事業は他に同じで殆どが失敗してきた。苫東工業団地、釧路フィッシャーマンズワーフ、帯広ステーションデパート(エスタ)、そして記憶にも新しい、旧池北線ー北海道ちほく高原鉄道…。
 来るべくして来た今回のばんえい廃止に、結局は馬券も買えずに支援することもしなかった自分が言うのもなんだけど、何とかならないものかと思っていた。
 そこに昨日ぼんやりとニュースを見ていると、例のソフトバンクの支援のニュースが飛び込んできた。

ソフトバンクが、ばんえい競馬の支援に乗り出したのは、道内を中心とした熱心な存続運動を受け、てこ入れ次第で収支改善が見込めると判断したためとみられる。ただ、四市共催から一市開催になることで馬券売り上げの減少は不可避。赤字が長期化すれば同社が支援を中止する可能性は高く、存続運動の熱気をいかに馬券売り上げ増につなげるかが今後の課題となる。

 一瞬ソフトバンクばんえい競馬の接点があまりにもなく、どういうことだ?と思ったけど、記事を見て納得した。なるほど、馬券のネット購入か、と。
 見ればJRAのレースでは、ネットでの馬券購入率が4割を超えるのに対して、ばんえいは1割程度。このネット購入層を広げられれば、帯広市の若干甘い試算以上の売上どころか、今後の経営に明るい兆しが見えてくる。
 記事にも書いてあるが、今回支援が決まったものの、帯広市の努力が足りなかったり、結局認知が広がらず、購入率が改善しなければ手を引かれる、ということ。当たり前だがソフトバンクはそこに儲ける見込みがあるから支援するわけで、慈善事業や公共性なんかは求められないということだ。
 とはいえ、北海道遺産。道産子の大きな財産であるばんえい競馬が命を取り留めたこと、それに支援するというチャンスを与えてくれたソフトバンクには感謝しても仕切れない。これを機にネット投票をやってみようかと思っている。

ばんえい競馬公式サイト


追記:
 上の公式サイトを見てもらうと分かるけど、どこにネット購入があるのが全く分からない!!よく見ると「地方競馬共同在宅投票」とある!!!
 わかりずらすぎ!…在宅投票って…。この表現を改めるだけで違うだろうに…。
 今後ソフトバンクの介入によってどう変わっていくのか、これを見るだけでやりがいがあるというか、まだまだやることは一杯ありそうだなと思ったよ…。