後に残るは…

さて昨日の続き。
最終日は朝から昼過ぎまでは天気が良かったものの、午後からは天気も悪くなってきてしまい、また濃い霧が掛かって視野が遮られてしまった。

全く何も見えないロープウェイというのも、まぁたまには良いだろう、と言うことで。トロリーバスは面白かった。バスなのにエンジン音じゃなくて、電動機の、電車とかに乗ってる感覚。まぁ法律上は鉄道ということになるらしいから…。

電気は後ろのポールから取っているようだけど、上の電気の流れている軌道が分かれたりしているところではどうやって切り替わるんだろう…と思ってみたり。なんとも不思議な乗り物でした。
とはいえ排気ガスが出ないということで、トンネルだらけのこのルートでも苦しくない、というのと珍しいのが特徴なんだろうけど、昔は都会でもトロリーバスがあったみたい…。費用対効果ももちろん検証しなければいけないけど、環境面からもこういう乗り物を考えてみる良い機会になった。
ロープウェイの後はまたケーブルカーで黒部湖へ。いよいよ黒部ダムなんだけど、やっぱり天気が…雨も降り始めた。

とはいっても堰堤と放水の様子を見るとさすがに圧巻。遠近感がおかしい、というか感覚が狂わされる。

放水の様子はこちら(GoogleVideo)
黒部ダムと言えば、映画にもなった関電トンネルの難工事と、いかにも20世紀的なこの規模のダムなんだろうと思う。黒部ダムや通称くろよん(黒部第四発電所)ほど知られていない黒部第三発電所のトンネルの建設には、くろよん以上に多くの犠牲者が出ている。公に語られないものの、半ば強制的に労働力とされた外国人労働者の存在も忘れてはいけないと思う。死者が出てもなお完成させなければならなかった事業。それでも進められた、というエネルギーなどは今では考えられない、時代の波があったんだろうと思う。タダの観光では無くて、その背景までしっかりと伝えられ無ければならないのに、慰霊碑と申し訳程度の資料室しかないのは残念だと思った。

それから展望台にも登り、最終便近い関電トロリーバスで長野県側の麓である扇沢におりる。そこからはバスで信濃大町駅へ。JRに乗り換えて帰ってきたのは19時過ぎだった。1年ぶりの連休。旅行はあっという間に終わってしまった。
旅行から帰ってからすっかり抜け殻のようになってしまったけど、徐々に平常と取り戻さなくてはと思う。
ただ、この旅で得たものは大きい。お金には換えられないものがそこには沢山あったし、自分の人生観や価値観まで変えてしまうような大きな自然もあった。一人で行動し、一人でじっくりと人生なんかについて考える時間がもてたことの意味は大きいと思う。
小さいながらも目的、目標が出来たこともある。また忙しない日常の中で、こういうかけがえのない瞬間を目標に、がんばってみるのも悪くないなと思った。
今度はいつ、旅に出られるかな…
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