山と電車と富山

26日は富山で朝を迎えた。朝9時30分の立山行きの電車に乗り遅れたので、折角なので富山市内を回ってから行くことにした。天気は段々悪くなって、雨こそ降らないものの重い雲が空を覆っていた。
港の方にいってみようと、まずは富山駅北からライトレールに乗って岩瀬浜まで。この路線は元々富山港線として営業していたものを廃止後路面電車として今年から営業している様子。元々の路線をわざわざ撤去しないで利用すれば…と一瞬思ったけど、建設中の北陸新幹線との兼ね合いとかあるんだろうなぁ…と納得する。

ライトレールに乗った後は富山市役所の展望台に登ってみたりしたものの、やっぱり立山連峰は見えず。むしろ雲が厚くなっている気がして不安になる…。

気付いたんだけど、富山ってJR以外の私鉄やらが多くて鉄道マニアにも面白いところなんだなぁと思う。万葉線立山渓谷鉄道、富山地方鉄道路面電車、ライトレールにケーブルカー、トロリーバス…営業していないものでも砂防ケーブルに関西電力のケーブルなど…。鉄道マニアではないものの乗り物好きなので見たり乗ったりと楽しむところが多くていいなーと思う。
さて、結局少し遅れて立山行きの普通列車に乗って1時間ほど、やっと立山に着く。結構混み合っていて、さすが観光地という気がやっとしてくる。立山駅に着くとツアー客の集団も何組かいて、少しウンザリする…w

立山駅からはすぐに山には登らず、日本一の落差を誇る称名滝を目指すことに。立山駅から探勝バスに乗って10分ほどで有料道路の駐車場に。ここからは徒歩となる。徒歩といっても急な坂道を登っていくので、結構きつい。
悪城の壁といわれる断崖絶壁を横目に、2〜30分歩くと滝が見えてくる。目の前にするとスケールの大きさに圧倒される。

砂防の堤防が幾重にも続いていて、今も工事中。立山の歴史は砂防と共にあり、と言っても過言ではないように、今もこの常願寺川水系黒部川水系とも砂防の工事が続いている。そしてこれからも何十年と続いていくということで、自然と共存するということを考えさせられる。
ただ砂防の処置がされているせいで、川の水は澄んでいる。称名滝と共に、この川の綺麗なところも見所だと思う。

称名滝では小一時間ほどのんびりと過ごす(立山駅まで戻るバスが1時間に1本間隔のため)。天気はくもりだけど、何とか雨は降らずに持ちそうだ。富山市街では蒸し暑かったのに、ここまで来ただけで涼しい。さらに滝の水しぶきが気持ちよくて、美味しい空気と風景と、いつまでものんびりしていたい気分だった。
そうも言ってられないので、立山に戻ると雨が降り始める…残念。でも小降りなのでそのままケーブルカーで美女平に登る。このケーブルカーの傾斜が平均でも26度とかなりの傾斜。ケーブルに乗っていても体が傾きそうになる。途中地質学的にも珍しいと言われる「ロウソク岩」が見える。


ケーブルカー車内の様子はこちら(GoogleVideo)
美女平到着(GoogleVideo)
美女平ではすぐにバスに乗り継ぐ。以前はこの美女平にも宿泊施設があったみたいだけど、通り抜け型観光が主流になってしまい宿泊客が減少したため、閉鎖したとのこと。
人の流れとしては、富山側・大町側問わず早朝に入って一日で抜ける、というパターンがほとんどらしく、午前中はそれぞれターミナル駅も混雑し、乗り物に乗るのに1〜2時間待つこともあるらしい。今回自分は午後から立山入りしているので、待ち時間はほぼゼロだった。
美女平から先は一般車両は入れず、高原バスでの移動となる。一気に山を登り、弥陀ヶ原には16時過ぎに到着した。

夕食まで時間があったので弥陀ヶ原を散策。散策コースと、カルデラ展望台と回る。この辺で雨が本降りになってくる。だけどずっと天気のことを心配していたけど、かえって雨天のためか神秘的な雰囲気で良かったと思う。弥陀ヶ原という名の通り、本当に美しい高原で、例えようのない素晴らしい景色だった。高山植物も色づき、紅葉には若干早かったけどただそこにいるだけで満たされるような、本当に信じられない様な美しい場所だった。カルデラ展望台から見下ろす、立山カルデラのスケールの大きさには言葉も出なかった。自分のちっぽけな存在と、雄大なんて言葉では表せないほどの大きな自然に抱かれて、涙が止まらなかった。


夜になると風も強くて雨もひどかったけど、お風呂に入ったりして時間を過ごしているうちに雨が上がった。上着を羽織って外に出てみると、遠くには富山市街の夜景がぼんやりと浮かんでいて、頭上には普段はなかなか見られないような綺麗な星空が広がっていた。これが天気の良いときだったら、と思うと少し残念だったけど…。
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