あの頃の自分へ

政治という字面だけとらえると、何だか距離を感じてしまうけど、それは自分と自分の身の回りの全ての事象に関わってくることだ。たとえば音楽を聴くことや買い物をすること。友達と出かけること…そんな日常の全て。人が生きていくことの全てに関わってくること。そんな中で関係ないだとか、関心ないとはなり得ないんじゃないだろうか。だってこうやっている今の瞬間も、長い歴史(時間)の縦軸の上で、他の誰かと、何かと関わり合う社会(横軸)で生きてる訳だから。そのことを意識し出すと、もう政治について考えることの始まり。どうしてこんなに家賃が高いんだろう?…朝も夜もうるさくて眠れない!…働きたいのに機会がない……
ぼんやりとしたイメージで、今よりもっと満たされたいとか、幸せになりたいなんて思ってるうちは良かったんだろうと思う。少し前までそんな時代だったからこそ、みんな政治に興味も関心も持たなかったんだと思う。持つ必要がなかったから。
ただそんなぼんやりとした安穏は終わり、自己実現どころか日々の生活も脅かされ始めた今は、必然的に誰もが関心を持つ方向に向かっているのかもしれない。そう考えると、単純に平和で良い時代ではなくなっているのかもしれないけれど、誰もが自分自身について、周りの人間について、改めて考える機会が増えているのだとすれば、それだけは救いかもしれないよ。
…町ですれ違う学生をみながら、ぼんやりと考えていた。