雪に願うこと

雪に願うこと プレミアム・エディション雪に願うこと プレミアム・エディション
伊勢谷友介 鳴海章 根岸吉太郎

ジェネオン エンタテインメント 2006-11-10
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 ★★★☆☆
 事情があって劇場で見られなかったこともあって、DVDを予約して買って見た。帯広が舞台と言うことと、東京国際映画祭グランプリ受賞、さらに佐藤浩市が出ていることもあって「かなり」期待して見てしまった。
 事業に失敗して行く場所もなくなった主人公が、13年ぶりに実家のある帯広に帰る。気付けばばんえい競馬に来ていて…ということろから始まる物語。あらすじを読むだけでストーリーも、もしかしたらオチも分かりそうな物語。原作は地元作家である鳴海章の「輓馬」。映画化は「風花」に続いて2作目ということで、原作は読んでないのだけど、「風花」は見たし、何となくお話の雰囲気は好きだな…というイメージがあった。
 まぁ「ばんえい競馬」とそれに関わる兄を初めとした人たちとの触れ合いを通して、主人公も、そして他の同じように挫折を抱えた者達も、再生していく…という流れなんだけど、描写は凄く完成されているし、ドラマとしてはしっかり構成されているし、画も凄く綺麗だし…。だけど脚本が甘すぎる。ひどいよ…。
 ばんえい競馬を通しての話なので、輓馬達の体温や吐息の白さ、そしてレースを通して生きるってことを訴えたかったんだろうけど、それにしてももう少し人間も…。主人公役の伊勢谷友介と、兄役の佐藤浩市とのからみは、さすがに佐藤浩市だけあって良い演技してます。ただ話のやりとりとか、どうしてそんな反応?っていう、コミュニケーションの基本的な部分の描写から躓いていたような気がするし(もしかしたら伊勢谷友介の演技の問題かも知れんが…)、背景とか感情の動きとかもっと突っ込んで描いて欲しかったな…。ラストも、あれ?まさかもう終わり??と…うーん。小泉今日子のおっかさん役もちょっと無理が…(「空中庭園」の母親役だってなんとかギリギリだったのに!)
 とまぁ、ここまでなら★一つか二つなんだろうけど、十勝の自然と原風景が出てくるだけで、もうずっと涙なしには見られない状態だったので、それだけでもう満足です(まぁ殆ど競馬場内のシーンばっかりなんだけどね…)。
輓馬輓馬
鳴海 章

文藝春秋 2005-11-10
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