鉄コン筋クリート

ASIAN KUNG-FU GENERATIONが映画「鉄コン筋クリート」の主題歌“或る街の群青”をリリース - bounce.com [ニュース]"
 実力派日本語ロックバンド、ASIAN KUNG-FU GENERATIONが手がける、映画「鉄コン筋クリート」の主題歌“或る街の群青”が、11月29日に発売されることが決定した。初回生産分は限定仕様で、ステッカーの封入特典もあり。楽曲制作にあたっては、バンドと監督マイケル・アリアスの間で密接かつ熱いやりとりが行われたというだけに、松本大洋の原作漫画が持つ世界観を存分に湛えた作品に仕上がっているはず。12月23日の映画公開に先立ち、まずはこのシングル盤でイメージを膨らまそう。 "http://www.bounce.com/news/daily.php/9002

 あの頃の自分に「世界」を教えてくれた大切な作品「鉄コン筋クリート」の公開が12月23日に迫って来た。初めて「クロとシロ」に会ったのは何年前だろう?もう10年くらい前になるんだろうなあ。毎日が陰鬱で、良いことも悪いことも何も知らなくて、ただあるがままでぶつかっていた。たぶん一生の中で一番色んなことを経験して、吸収していった時期だった。
 自分の場合はセクシャルマイノリティということもあって、自分を認めるという一番難しい時期だったと思う。周りと違うことにいちいち傷ついて、叫んで、笑って、ぶつかって…。ボロボロになって毎日死ぬことばかり考えていた。刹那的な快楽ばかり求めて、気付けば自分自身を許容するどころか、辱めるようなことばかりしていたと思う。そんな毎日だったけど、貪るように読んでいた沢山の本やマンガが、狭くなった視界を広げてくれ、また「死ぬ」っていう下らない考えから逸らしてくれたりした。松本大洋のマンガもその一つで、その中でも一番影響を受けたのが「鉄コン筋クリート」だった。愚かなことを繰り返す自分自身の矛盾を見て見ぬふりして、世の中全てが善だと信じて疑わなかった自分に、全ての事象は表裏一体で、どちらもあって良い、ってことを教えてくれた。それは自分の日常であると同時に、世界だった。
 あの時どんなに救われたかわからない。自分自身が抱える大きな矛盾に苦しみながらも、それでも生きたい、信じたい、認められたいともがいていた。だけどシロとクロが、この世界の中で自分が存在することも許してくれた様な気がした。本当に今でも忘れられない、大切な作品の一つだったりする。

 あの頃からアニメになったらどんなだろうと想像していた。「青い春」や「ピンポン」が映画化されたときもうれしかったけど、「鉄コン筋クリート」は無理だろうなぁ、でも映像化されたらどんなに…と思ってただけに、映画化が決まったときから楽しみにしてた。予告編を観て、期待裏切られてない…と予感した。アニメーションがstudio4℃ということで期待はしてたけど、かなり良い感じだ。このアニメーション観ただけで泣きそうになるよw。一番泣けるあのシーンで、そして蒼井優のシロの叫び。一気にあの頃がフラッシュバックして、泣けた。きっと良い出来だと、確信してみた。
 音楽をPlaidが担当するっていうのは知っていたので、色々と想像して楽しみにしてたんだけど、今回主題歌がアジカンとのことで。色んな意味で、今の日本の世代を背負ってるバンドだけに、アリなんじゃないかと思う(お金が絡むことからは避けられないわけだし…)。とにかく楽しみに待ってみよう。

映画「鉄コン筋クリート」公式サイト

鉄コン筋クリート (1)鉄コン筋クリート (1)
松本 大洋

鉄コン筋クリート (2) 鉄コン筋クリート (3) C×D×G no ARASHI! Vol.2 C×D×G no ARASHI! Vol.1 少しは、恩返しができたかな

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